大事な…

 

ズリズリズリズリ…………

 

重そうな物を引きずる音が響く。

 

「カイルさーーーーーーーーーんっっっ!!帰っちゃ嫌ですーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」

「今日はダメ、」

 

ズルズルズルズル…………

「うわーーーーーーんっっっっ!!!!!僕の事嫌いなんですか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!?」

「〜〜〜〜〜〜…離してくれないと、『キライ』!」

カイルの言い放った言葉に、一瞬動きを止めるカナタだが、その直後に今までより更に大きな泣き声が上がった………。

―――――――カイルの方も、そんな事を言ってしまい苦しそうな表情なのだが、カナタの位 置からでは見えない。

「ぎゃーーーーーーーーーー!!!(泣)カイルさんに嫌われましたーーーーーーーーーー!!(大泣)」

腰にへばりつき、泣きじゃくると見せ掛けて――――……

 

「!」

「こうなったら、力づくですーーーーーーーー!!」

ダン! と、押し倒しにかかる少年……しかし―――――…

 

スッパーーーーーーーーーーーーーンッ!!

 

乾いた音が見事に鳴り響いただけだった………。

 

 

 

 

 

 

 

「……………………ぶたれました…(泣)」

「もう!カナタ、そんな事じゃダメよー!!」

膝を抱えて、廊下の隅で落ち込んでいる義弟を慰めるナナミだ。

「カイルさん何か用事があったのかもしれないし〜」

呑気に呟くナナミ。そして、ハッと自分の言った事が正しそうだと気付いた。

素早く、少年と向きあい叫ぶ。

「そうよ!きっと大事な用があったんだわ!」

「大事な用………!?」

ハッ!と何かに気付いたような表情になるが……………

 

「う、うわーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!(泣)僕より大事なんですねーーーーーーー!!こうなったら、カイルさんを殺して僕も死ぬ ーーーーーーーーーーーー!!(泣怒)心中だーーーーーーーー!!」

「ええっ!?お姉ちゃんそんなの許さないわよ!どうしてもって言うなら、お姉ちゃんを乗り越えてゆきなさいーーーーーーー!!」

何も気付いていない上……話がまったく進まない。

 

 

 

「ただいまっ…」

「お帰りなさいませ、坊ちゃん。」

ちょうど、夕食の下ごしらえをしていたのかエプロン姿なグレミオだ。

夕飯までもう少しですからね〜♪と鼻歌まじりの言葉に、カイルは溜息をついて呟く。

「―――――本当は、もっと早く帰って来たかったんだけど……………」

いつもより、1、2時間早くなっただけだった………。朝から昼過ぎまで、カナタと揉めていた事になる。

……………カイルの流されやすさと、カナタの執念深さ…どっちが原因だろうか?

再び溜息をつきながら、グレミオの後に続く。

ぐつぐつと煮えるシチューの匂いが、とても気持ちを落ち着かせた。

台所に辿り着き、シチューを混ぜてからカイルの呟きの返事を返す。

「いえいえ、夕食にはまだ時間がありますから。」

「…………」

夕飯までに間に合えばいいんですよ?と言うグレミオに、つい〜〜…と黙ったまま背後に立つ。

 

ぐい〜〜〜〜〜っ

 

「うわあ!?ぼっ坊ちゃん!?」

耳を引っ張った。

「今日、グレミオの誕生日だから早く帰って来たんだけど………?」

忘れてたね……と珍しく拗ねた表情で呟く…。

「ああ……そうでしたね〜。もうこの歳になると自分の誕生日と言うのはどうも忘れっぽくなって……。そうでしたか〜…どうりで、今日はパーンさんもクレオさんも妙に気がきくと思っておりましたら……」

グレミオは感慨深気に頷くとシチューをかき混ぜ、味見をした。

「それに、この頃夕食以外全然家に帰ってなかったから……」

夕飯を食べたら、またすぐに捕獲され城に連行されるのだ…。

 

「―――――そんな事はいいんですよ、坊ちゃん。」

「え?」

グレミオは振り返って優しく微笑む、

「なんで…?」

「最近の坊ちゃんは本当に、とても楽しそうですから」

「楽し、そう…?」

「ええ、」

しっかりと頷きを返す。

「坊ちゃんが幸せでいてくれる事が、私の何よりの幸せなのですから、」

「グレミオ………」

再び、シチューをかき混ぜる…。

ふんわりとした雰囲気が辺りに広がり、カイルは目を閉じた…。

『家族』の暖かさ…

それがとても心地よく感じられた…

 

 

「そういえば―――――…」

「?」

急に話が変わった為、カイルは首をかしげる。

「今日は、カナタ君どうしたんですか?」

「……………(汗)」

カイルは目を逸らした。

 

―――――――トントントン!

 

「おや、誰かいらっしゃったようですね?私はシチューの番がありますし…」

「僕が出るよ、」

トトトトト…、とカイルが玄関の方へと移動する。

そして、残されたグレミオは………

 

「グレミオ…あんた、何やってるんだい?」

「ああ…クレオさん………。坊ちゃんももう私の元から巣立っていかれるのかと思いますと、少し涙がッ………(泣)」

「…………坊ちゃんは、もう19だよ?(汗)」

エプロンで顔を覆うグレミオに、クレオは思わず頭を抱えた……。

 

 

 

そして、玄関では

「カイルさーーーーー」

 

バタムッ!

 

「ぎゃーーーーーーーーっっ!カイルさーーーーーーーーんッッッ!!!!!(泣)」

やはり、それはそれ。これはこれといった感じだ。

カイルは躊躇なく、開けたドアを閉じた。

「うわーーーーーーーーーんっっ!!!開けて下さいーーーーーー!!ゴメンナサイーーーーーーー!僕が悪かったですーーーーーーー!!だってグレミオさんの誕生日だって知らなかったんですーーーーーーーーーー!!!!!」

「そうよ〜!カイルさん〜〜〜!!カナタ、がんばってビクトールさん達締め上げて、吐かせたのよ〜〜〜!!お姉ちゃんからもお願いするわーーーーー!!」

その言葉に、少しだけドアを開く。

「………」

「グレミオさんのごはん美味しいですし……いっつもお世話になってますし…なんか、僕にとってもお母さんみたいですから〜…ゴメンナサイです…。」

ぼそぼそと珍しく歯切れ悪く話す少年に、カイルは少し時間を開けてから―――――――

 

「――――――――うん…」

 

大きく扉を開いた―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「とゆーわけで、僕とナナミからは、シチュー用の『お玉』ですーーーーー!!」

謎的に、お玉は花束の中に仕込まれてラッピングされていた。

あまり趣味はよくない…。

「『お玉』………(汗)」

「そういう、カイルさんは何なんですか?」

「……………………シチュー用の大鍋……。(汗///)」

ぼそぼそと呟く…。

「…………坊ちゃんとカナタ君にとって、私は『シチューの人』(という認識)なんですか……?(汗)」

 

 

 

激爆!

 

 

 

しょうもなくて、すみません…。

しかも、そっけない…?

あううう…(汗)

最近、スランプ(と言うのもおこがましいって…)でせうか…?

にゃ〜出来ません〜〜〜!(逃)