あったらいいな☆こんな日常!

 

過去の英雄である2人――――元同盟軍リーダーカナタと、元解放軍リーダーカイル…。

その2人は何故か旅にでていたはずだが、どう言う訳かここ、――――トーマスくん城に逗留していた……………。

略して言うと、トーマス君の仕掛けた罠にかかり(『今☆彼等は!?』参照)、拉致られたのである。

 

 

 

 

トーマスくん城……。

それは、何処かのんびりとした雰囲気を持つ城である。ここの城主であるトーマスの性格が現れたような、穏やかな空気が満ちているからであろう。

そんな中、1人の少女………いや、少年が犬と戯れていた…。

 

「かわいい…v」

「………クゥゥゥ…」

言わずと知れた、カイルである。

風呂敷をつけた犬、コロクを膝に抱え、何をするでもなくぼぅっとしているようだ。

 

「……………と、わぁっ……(汗)」

 

不意にドサドサドサ…と何かを落とす音が近くで響いた。

「?」

カイルが振り返ってみると、城内からでてきたばかりであろうトーマスが辺りに紙を撒き散らしてしまっていた。

「ああ〜…(汗)」

困ったように小首を傾げ、しゃがみ込んで段ボール箱へ入れ直そうとする。フッ…とその手元と陰り、?と思いトーマスが顔をあげると…

「………大丈夫?」

「………クゥゥゥ」

 

 

 

「手伝ってもらってありがとうございました」

コロクを間に挟み、のほーんと2人して石段に腰掛ける。カイルとコロクに手伝ってもらい、早く回収出来たらしい。

「これ…、どうするの?」

「あ………いらない書類を処分しようと思ったので……………」

でも…………とトーマスは言葉を続ける。

「どこで燃やそうかと思って………………」

「………(汗)」

どこにでも人がいる為、燃やせるような場所がないのだ。

「ここで燃やすとか…(汗)」

「いいですか?」

コロクが不満そうに鳴くが、とにもかくにもコロクの小屋の近くで書類燃やしが行われた。

目の前で燃え上がる炎に、一枚ずつ書類をくべてゆく…。

 

微妙な沈黙。

いわゆる、気まずい間というものだ。

 

「え、えっと……………」

「………?」

「お暇ですか?」

「うん…?」

「………クゥゥ」

突然言われた言葉にカイルは首を傾げるが、取りあえず頷く。

その返事に、トーマスは遠慮がちな笑みを漏らす。

「じゃあ、今日セシルから劇を見に行こうって言われているので………」

 

「まちやがれーーーーーーーーー!です〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!(怒)」

 

ザッ!とようやく現れたのは、何故か大工の格好(はちまきと腹巻きだけだが)をしたカナタであった。

「人がせっかく雨漏りが酷いからって修復工事に精を出していたっていうのにッ!!ナンパですかっ!?許せませんッ!!――――カイルさんは渡しませーーーーーーーんっっっ!!!!!!!」

ガーーーッ!と怒りに任せて少年はトンファーを振り上げてかけてくる。

 

「カナタ!?(汗)」

「あ、あぶない…!(汗)」

「はあっ!!?」

 

ゴォッ!

 

―――――――たき火の中に突っ込んだカナタは見事に引火した。

「あぢ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!!!!!」

「う、うわあああああ!!(汗)」

「トーマス様〜〜〜〜早く劇に………って燃えてますよぉ!トーマス様!!!!!(汗)」

ガショガショと鎧の擦れ合う音をたててやってきたセシルの見た物は、燃え上がっている少年の姿であった…。そこはかとなく、サスペンスだ………。

「せ、セシルっ!!―――水!!(汗)水もらってきてっ!!」

「カナタッ!(汗)」

大パニックである。

しかし、さすが城主と言うべきか、一応トーマスの指事は的確ではあった。

「わかりました!お水ですね!!任せて下さいっ!」

言うが早いか、セシルは一番近くの場所である、酒場に飛び込み何やら瓶を持ってきた。

「えいっ!!」

キュポン!と音がして、瓶からコルクが抜かれる。

「せ、セシル………………それ………?」

少女が投げかけた液体は………

 

「あ゛ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!(汗)」

 

ウォッカだった。

当然、更にカナタは燃え上がる…。

 

「カナタ―――――っ!(汗)」

 

 

 

 

 

「ひ……ひどい目にあいました〜〜〜(泣)」

つーか、何であんな所に火が……?(汗)と呟きながらも、カイルにピットリとくっついているカナタだ。ちゃっかりしている所は変わっていない…。

 

「えっ劇に参加する?」

「はい!トーマス様!!」

 

前を歩いていた2人から何やら問題でもあったのか、声が上がっている。

「?」

「え?なんですか?劇に参加?」

乗り気で、顔を突っ込むカナタだ。

「トーマス様やりましょうよぅ!!」

両手を身体の前で握りしめ、セシルはトーマスを上目遣いに見上げる。

「ロミオとジュリエットですね!そして、無論カイルさんがジュリエットです!!」

決定!とばかりにカナタは口を挟む。その言葉で参加は確定したようだ。

俄然勢いのついた2人は、次の配役を揃って口にする。

「じゃあ、ロミオは!」

「そう!ロミオは、」

 

「トーマス様」

「僕」

 

「「…………」」

 

顔を見合わせる2人…。

一瞬後

「――――――ぜったいぜったい!トーマス様ですっ!」

「カイルさんには僕なんですっ!!(汗)」

わーーー!わーーー!と本気で揉めはじめている…。

「ど、どうすれば………」

「どうしよう……(汗)」

 

「そろそろ開演の時間なのですが………配役はお決まりでしょうか?」

劇場支配人、仮面をつけた怪しい男ナディールが話しかけてくるが、一目見てそんな物決まっているようには見えまい………。

「それが………」

「その…」

トーマスとカイルは顔を見合わせて、それから揉めている2人の方に視線を移した。

 

「だからロミオはっ!」

「トーマス様でっ!ジュリエット役…」

「僕!」

「は納得いくんです!」

 

混線したような喋りっぷりに、訳がわからない様子になっている…。

しかし――――――…

 

「承りました」

 

あっさりと返事をするナディール…

「「え?」」

 

 

 

「っ…………!(怒)」

ぷるぷると怒りに震える少年が1人……。

「っだーーーーーーーーーー!!!!!!!なんで僕がジュリエットですかーーーーーーッ!!!!!(激怒)」

しかも相手がトーマス君ですかっ!?(汗)と頭を抱えて振り回し、その後怪し気な目つきでトンファーを取り出した。

「うがーーーーーーーーっっ!!やってられるかーーーーーーーーーー!!こんなセット壊してやりますーーーーーーーーーーっっっ!!!!!」

 

ドガシャーーーン!!ガショーーーーンッ!!!バキィーーーー!!…などと音をたて、破壊の限りを尽くすその姿はまるで鬼神(?)のようであった………らしい。

 

「トーマス様ぁっ!舞台壊されちゃってますよ!!どうしましょうっ!!」

「う、うん………」

「カナタッ!(汗)」

無責任なやじが飛ぶ中、カイルの制止の声は少年には届いていないようだ、まったく動きが止まらない。

「だ、大丈夫だよ、セシル…」

「本当ですか!?」

「うん…。ちゃんと後で作り直してもらうから」

 

 

 

 

 

後日…。

「あの…昨日はカナタが……」

「あ………いいんです、少しあの舞台も傷んでいたし……………そろそろ補修しないといけなかったから」

コロクを撫でながら、トーマスは言う。

また昨日と同じような状態になっているらしい。

「よいっしょ……あ。トーマス様〜〜〜!」

「セシル、」

そこへ何やら重そうな荷物を抱えたセシルが通りかかった。

何をしているのかと訪ねれば、今週ゴミ当番である彼女はゴミを集めている所だと言う…。

「昨日はトーマス様にゴミ当番変わってもらったから、今日は頑張りますね!」

「うん、がんばって」

「はい!早く焼却場所まで運んで、お城の警備に戻ります!!」

ガショガショと鎧の重い音を響かせながら、少女は立ち去って行くが…カイルには一つの疑問が浮かんだような気がした。

「…………?」

ふと、違和感を感じたのだ。

たしか、燃やす場所がなくて――――――――

「………???」

「えっと……………」

急に黙り込んだカイルに、困惑した表情でトーマスは声をかける。

「あ、あの………」

「?」

「カレー好きですか?」

 

 

とりあえず、頷くカイルだ。

トーマスなりの、会話のつなぎの話題らしい。しかし、意味のない話題である…。

「えっと………じゃあ、味見に行きませんか?レシピが手に入ったみたいなので………」

 

 

特にする事がなかった為、カイルはもう一度頷いた………………………………。

 

 

えんど。

 

 

 

微妙…。

争奪戦……。

繰り広げているのかいないのか………。

結果としては何故かトーマス君勝利な話…………。

 

 

逃げます!!(汗)