お風呂でGO〜☆

 

 

トーマス君城、元々はほとんど潰れかけの城だったのだが現在は新たに任命された城主トーマス青年のおかげで、いい具合に活気づいてきている土地であった。そして、更に言うならばヒューゴら率いる『炎の運び手』――一部で好んで使われている名だが、――の滞在地でもあった。

そして、舞台はその一角の――――――――風呂場。

そう、風呂場である。

その風呂場は前作に比べてあまりにもシンプルな物である事は、フッチあたりならばわかっている事だろう。(まあ、その方が普通 の風呂としては落ち着くのだろうが。)

その風呂場は、お風呂に情熱を燃やす男、ゴロウ……………その永遠のライバルである人物の作品を語った『バカ』が一人いたが為に、暫く使用不可能になっていた…。改装工事に入ったとらしい。

 

そして、本日その工事がようやく明け、初風呂となったのだが―――――――――…

 

 

 

カッポーン…

といい音が響き、暖かな湯気が立ち上っている風呂場。

そこに騒がしい声と足音が響いてきた。

「いっちばんのりーーー♪ですね☆」

「うん……」

まだ陽も高いというのに、2人の少年がガラッ!と風呂場への扉を開いて入ってきた。

「今まで、湖で水浴びでしたから、お風呂のありがたみがなおさらですよね〜〜〜♪」

「カナタのせいだと思うんだけど……(汗)」

などと言いつつも、ここ何年間でますます少女じみてきた少年―――カイルはまず身体を洗い流している…。

「あ♪背中流しますねー♪♪♪」

「………(汗)」

チャーンス☆とばかりに、少年は白い背中に反射的にへばりついていた。

カイルの方は、湯気のせいか、くっつかれ為か微妙な所だが、肌を朱に染めるだけで特に抵抗はないようだ……。

 

 

「所で、カイルさーん」

「お湯かけるから目瞑ってね………何?」

ザバーとカイルに頭に湯をかけてもらいながらカナタは口を開いていた。(無論お湯が入っている。)

「ぷはーーーあんまり、お風呂改装されてませんよね?」

「…………。」

そう言われて、カイルは辺りを見回す。

――――――確かに、少年の言う通り、あまり内装は変わっていないように見える。造りは前よりも丁寧な仕事がしてあるし、広さも1.5倍になっているのだが…………しかし、他は確か大して変わっていない。

「入ってみたら、違うのかも…」

「そうですね!じゃあ、さっそく入ってみましょう〜〜〜〜♪」

そう言うと、さっそく少年は立ち上がって湯舟に飛び込んだ。――――一応は、中身は3×歳のはずなのだが、みかけも中身も15、6の少年の物だ…。色々と何かを考え直した方がいいだろう。

カイルの方は、先に先程まで使っていた風呂桶を定位置に戻そうと思い、てこてこと風呂場の隅まで歩いている。

ピラミッド形につまれた風呂桶のてっぺんに、同じく風呂桶を置いた。そうして、ようやく背後を振り返ってみると………。

「?」

いない。

そう、誰も湯舟には浸かっていなかった。

何故か先に入っている少年の姿がないのだ…………ただ、水面に最後の一息と言った感じの泡が浮かび上がっているだけで、

「カナタ………?」

ともかく、いつまでも外にいる訳にもいかないので、恐る恐ると湯舟に浸かった。程よい湯加減が身体を包み込み、思わず事態も忘れてほっとするのだが、そうもいかない。

嫌な予感に汗が一筋流れる。

「まさか………(汗)」

 

―――――――溺れてる?

 

こんな浅い場所ではあり得ないと思いつつも、カイルは一気に焦った。間違うと膝までの深さの場所でも溺れる少年だ。今までは風呂場で溺れた事などなかったのだが…………

「カナタッ!?」

ばしゃばしゃと礼儀も忘れて湯舟をひっくり返すが、何故だかまったく位置がつかめない。風呂が濁り湯であるのもその一つの理由だろう。

 

「お風呂新しくなったんだよな、どんなのになったのかトーマスは知ってる?」

「さあ………?僕も知らないんですケド、」

あんまり変なのは止めて欲しいです……という会話が聞こえ、ドアが開いた。

「変なのってどんなのが変なんだ……………うわあ!!(///)」

「ど、どうかしたんですか!?(汗)」

先に入ってきた褐色の肌の少年が硬直した…。カイルを見て、一瞬、女風呂か男風呂か判断が付かなくなって慌てたのだろう。

しかし、白い方の―――成長期が遅れがちなのか、まだ体つきに筋肉が付いてきていない―――少年はさほど慌てる事無く相手が誰なのかわかった。さすが腐っても城主である。

「えっと…………御一緒してもいいですか………?」

「あ……」

いつも通り多少どもりつつも、小犬のように首を傾げて問いかけるトーマスに、否と言える訳もないし言う理由もないカイルは、首を縦に振った。しかし、その手は何かを探すように湯舟の中につけたままだ。

一応そこそこには勘のいい2人は、それにふと気が付いた。―――――が、普通人を落としている(?)と気付く訳がない。

「なにか落としたんですか………?タオルとか間違って落としたとか……」

「タオルならオレ持ってるの貸すけど?」

キラキラと純真な少年らの好意の視線。

2匹の種類の違う小犬同士に同じように見つめられるその様子………そんなものをカイルに無下にできるはずがなかった。

「あ、ありがとう………(汗)でも、カナタ…」

とりあえず、ヒューゴからタオルを受け取りながらも、カイルはなんとか現状を説明しようとしたのだが…

「もしかして、せっけんを落としたとかですか………?」

「オレ石鹸は持ってないや」

「トーマス様〜〜〜〜〜〜!!わたし持って来てますよ〜〜〜〜〜〜〜!!」

となりの女湯から元気な声が響いて来た。どうやら、セシルも一緒に入りに来たらしい。

 

「えっと……(汗)」

まさか今さら違うとも言えず、カイルはちゃぷんと肩まで湯に浸かり、2人のの対照的な少年の方に向き直る。

 

「投げますねーーー!えいっ!」

「え、あ、うわあっ!!(汗)」

「トーマス大丈夫かっ!?」

スコーン!といい音がして、塀を超えて投げられた石鹸がトーマスの頭に命中した。

「トーマス様っ!?大丈夫ですか!?もしかしてあたっちゃいましたか!?」

「あははは………大丈夫だよ、セシル……ヒューゴさんも、」

腰にタオルを巻いただけの格好で床に座り、頭をさすっている姿はとてもほのぼのとした笑いを誘われてしまう。

カイルも悪いとは思いながら、つい笑みを零してしまう。悪い光景ではなかった。

礼を言って、受け取ったタオルと石鹸をまとめて濡れない場所に置き、入浴前に身体を流す少年らととりとめのない会話が交わされる。

 

「湯加減あつくないかなあ」

「ちょうどいいくらいですよ……?」

トーマスは何故か変な表情になりながらも、カイルの横あたりに浸かり、ヒューゴに向かってそう言う………が、突然ヒューゴの身体が湯舟の中にあり得ないくらいに沈み込んだ。

「うわあっ…!?」

「ヒューゴさん!?」

「ヒューゴ君!?」

突然の出来事に慌てて声をかけるカイルとトーマスだが、泳ぎも得意なのか少年はあっさりと水面 から顔を出す。

「びっくりした……ここ、急に深くなってた」

「「深く?」」

自分達のいる場所を見下ろしてから、2人は目を合わせてきょとんとした。

「どこですか…?」

トーマスが縁に手を置いて、ヒューゴのいる位置を覗き込もうとした瞬間、その縁が急に開き中から入浴剤が流れ落ちた………。

「「「あ。」」」

先程までわずかに濁っていた色合いが、一気に乳白色に染まる。

「す、すみませんっ………(汗)」

トーマスがおろおろと慌てた時に、ちょうど外から声がかかった。聞き覚えのある、この風呂の制作者であり責任者の声だった。

「おう!気に入ったか!?オレの改装した新風呂『仕掛け風呂』は!!どうだ!?思わずうたた寝しちまうか?」

「「「『仕掛け風呂』?(汗)」」」

異口同音に、怪訝な声をあげる3名。トーマスに手を借りて縁に戻ろうとしていたヒューゴでさえ、その動きを止めて突っ込んでいる。

「おう、足を伸ばして風呂に入ってもらえるように、風呂の周囲と真ん中以外は深めに溝を作ってあるのさ」

「ちょっと深すぎると思うんですが………(汗)」

「それと、入浴剤を常備してみる事にした、どうだ!?」

どうといわれても……と苦笑いを漏らすしかないだろう。(ヒューゴはあまり気にせずに縁に手を置いて顔をだしているだけだが)

 

「…………」

では、今自分がいる場所は腰掛ける為の場所なのかと、カイルは納得し、何か忘れている事をふと思い出しかけた。

首を傾げて、深い溝の方に足を伸ばすが、まだ思い出せない。

「―――?」

「あ、あの………」

トーマスが口を開き、ゴロウに質問する。

「じゃあ、今僕が座ってる柔らかい底も新しく作った何か新しい趣向なんですか………?(汗)」

トーマスがいる場所。

それはヒューゴが溺れかけた位置からしても、深い場所のはずだ。(というか、変な感触がする場所にわざわざ我慢して座っていたらしい)

 

――――――――――柔らかい?

 

その言葉にカイルは反応した。もちろん嫌な予感だ。

 

「いや、そんなもんは作った憶えはないな」

「そうなんですか…?(汗)」

 

 

――――――――――まさか、

 

 

「カナターーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!(汗)」

「ええええ!?」

「え、…………うわあっ!!すっ!すみません!!(汗)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「げほっ!がはっ!!ごふっ!!(汗)―――〜〜〜〜〜もー!嫌です!絶対嫌です!!何が何やらわかりませんが!何もかもが嫌なんですよーーーッ!!(怒)」

「ごめんね………(汗)」

救出されたカナタは、ほとんど死にかけ状態であったと言う…。(というか、既に心停止はしていたらしい)

 

その後、やはりこの『仕掛け風呂』は危険と判断された為、元通りに戻されたと言う………。(ちなみに女湯の方では好評だったらしい。>溺れた者がいなかった為)

 

 

 

 

 

<どこぞの誰かさん達(トーマス君達☆)に巻き込まれる坊ちゃんに(読み人が)見てらんない感じの主人公!>

っという解釈はどうでしょうか!?;

はいっ!;

書いてる方は微妙に楽しかったり…(死)

意味のない話ですが…(死滅)

逃げ出します!!