幻水学園(仮)番外編〜迷子のまんじゅう!?〜

 

 

幻水学園(仮)…それは未だ名称が確として決まっていない学校である!

わかっている事と言えば、初等部から大学部までのエスカレーター式エレベーター付、途中編入ありの学校で、イベントの多い愉快な学園と言う事くらいだ。

何はともあれ、そんな学園に、大分学校にも馴染んで来た高等部1学年カナタは通っていた!

 

 

 

「カイルさんカイルさんカイルさ〜〜ん♪今行きますからねー☆」

学園内…芝生の上だと言う事も気にせず、全速力で駆ける少年の名はカナタ。この幻水学園(仮)の高等部1年の生徒だ。

ある意味目立つ少年で、今学園で有名なバカップル(一方的)である人物だった。

で、今彼が何をしているかというと。

「カイルさんの手作り弁当にデザートは必須!てな訳で僕が愛のまんじゅうを届けるんですーーー!!」

…つまり、カイルに弁当を作ってもらい、それを今から一緒に食べる訳で、彼は4限目の授業をエスケープし、デザート用のまんじゅうを買いに走っていたらしい。…まあ、言っている理屈も意味もよくわからないが、カナタはラブラブ弁当っvを楽しみにして、とても凄いスピードで走っているのだ。

「ショートカぁーーーット!!」

そう、だから建物の裏を抜けて近道をしようとし、茂みを大きく飛び越えたのだ。

かなりの高さのある植木だったのだが、見事な跳躍力で、服を引っ掛ける事も、転ける事もない、素晴らしいジャンプだった。

 

――――――が、それは下に障害物がなかったらの話だ。

 

「って、人?うわあ!?!?!?」

そう、飛び越えた先には人が転がっていたのだ。

まさかさすがに(何もしていない)人間を踏み付ける事はさすがの少年にも出来なかった。

 

(くっ!!;)

 

持ち前の反射神経をフルに使い、空中で状態を捻って、落下地点を変え、まんじゅうのつまった箱を両手でしっかりと掴んで頭上高く掲げ――――…顔面 から落下した。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!!」

さすがにムチャクチャ痛かったカナタだったが、まんじゅうと、罪の無い人間は守られた。

「ふっ…;やりました…――――――じゃなくて、誰ですかっ!?こんな所で寝てるヤツぁ!?(怒)」

次は踏みますよっ!?とカナタが振り向いた先に転がっていたのは…

 

サラサラの茶色の髪に、

赤いバンダナ、

無表情でぼ〜っ…と空を見ているマリンブルーの瞳。

 

「………」

 

……………誰?

(全然っ、知らない人です。しかも内の生徒じゃなさそうな…)

制服の自由な学園であるとは言え、さすがに服のパターンは決まっている。しかも、相手のネクタイには、校章らしき物が付いているのだ、別 の学校の。…別の学校の制服を着てくる者はさすがに少ないだろう。

ブレザー調の制服に、船のマークのはいった校章、―――何でかズボンは膝丈。

「???」

「………」

相手は特に何の動きも見せず、ただ無表情でぼ〜っとしていた。

「???;――――はっ!こんな事してても仕方ないですっ!カイルさんとのラブラブタイムがッ!!早くまんじゅう(と僕)を届けないと!!」

「………まんじゅう

…ピクリとその人物が動いたのにカナタは気付かなかった。

「とーー!倍速ですーーー!!」

「…」

 

びったん!

 

…痛そうな音がした。

転んでいた人物に、学ランの、ズボンの裾を掴まれて、カナタは転けたのだ。…やはり顔面 から。

「っ…何すんですかーーーっ!!(怒)」

「………」

…何か、相手の目の色が変わっていた。切実な切望の色に…。

「い?;」

「…」

「…まんじゅうですか?」

きゅぅ…と、可愛いお腹の虫が代わりにお返事をした。

「ダッダメですよ!ダメ…いやそんなっ…!カイルさんのっ…!!」

ダラダラダラ…(汗)

「うううううううう〜〜〜っ!!;」

カナタはガマの油とりみたいになった。

 

 

 

高等部3年教室。

 

「うわーーーーーんっっ!!(泣)僕はダメな男なんですーーーっ!!カイルさんのっ!カイルさんへの愛のまんじゅうさえ届けられないダメな男なんですーーーーっっ!!(号泣)」

 

…そこから、少年の悲痛な泣き声が上がっていた…。

 

そして、その泥まみれの少年の『愛しの人』こと、カイル=マクドールさんは、困っていた。

一緒にお弁当を食べるはずの相手が、こんな状態なのだから、

…しかも抱きつかれていて、椅子の上から身動きが取れなくなっている。

 

「で?今日は一体どうしたのさ?その馬鹿、」

「ルック…それが、わからなくて…;」

「まんじゅうがーーっ!まんじゅうをーーーーっ!!(泣)」

まんじゅうばっかり言ってるし…;とカイルは困り顔だ。

ギャーー!ギャー!と泣き喚く声にいい加減うんざりしていたのか、ルックは渋い顔で、手に持っていた辞書を掲げてみせた。

「…黙らせる?」

「それは…(汗)」

最終手段だ。

取り敢えずは、話し合いからが基本である。

「カナタ…(汗)落ち着いて…そんなに食べたかったの?」

「違うんですーーーっ!!うわーーん!!(泣)」

…ますます腰に回った手がきつくなり、泣き声も大きくなる。

「………;」

「もう弁当食ったかー? って、カイルお前シャツの裾出されてるぞ…」

ガラッと教室の後ろの戸を開けて入って来たシーナがそう進言した…。

「え?」

「…ちっ。」

 

―――――――ゴンッガンッ!ゴスゥッ!!

 

「ううう〜っ(泣)カイルさんまでっ…ヒドイですー!(もう付き合ってるのにー!)」←でも言わない。(適切な判断。)

「………(怒)」

でも、怒りながらも、たんこぶやらアザやらを作ったカナタの姿に心を動かされてしまったので、手作り弁当は与えてあげている…。

「カイルさんあ〜んvして下さい♪」

「………;」

イチャップル…。(クラス中の心の声)

お弁当の食べさせあいっこという、お約束な事をしながら、弁当を半分程食べ終えると、ようやくカナタの機嫌も(世間話をするくらいには)浮上して来る。

「そう言えば、テッドさんどうしたんですかー?」

「生徒会に呼ばれたみたいだけど…」

「ゲッ!;あの生徒かいちょーですか〜?」

嫌そうな声を出すカナタだ。カイルに、舐り箸はメッ!と注意を受けつつ、世間話に花を咲かせる。

「あの愉快犯なかいちょーが一体何の用なんでしょうね〜?」

「人の事言えないんじゃ…;」

「人の事言えないんじゃない?」

「人の事言えないだろうが、」

「…なんでそこ(愉快犯)でトリプル突っ込みですかー;」

 

「カイルーいるか〜? 一生のお願いだよっ!ちょっと手伝ってくれ!」

 

カナタが膨れた時、元々の話題の主、テッドが戻って来た。

「テッド?」

「おかえりでーす。」

「ただいまーってか?いや、そうじゃなくてさ、なんかガイエンからの見学者1人遭難したらしくて、それを探さなきゃならなくなってさ…頼むっ手伝ってくれよ♪」

「「遭難?」」

アホくさ…と、ルックとシーナは黙って弁当と購買のパンを食べ続けていた。

「幾ら何でも…;」

「そーですよっ!幾らこの学校が広いって言っても遭難者なんて出ないですよ!…てか、まー…迷いはしますケド、案内板もありますし!」

「いやそりゃそうだし、そいつも学園の地図も持ってるんだけどなぁ…それでも、」

 

…迷ったのか。

 

「マップ…見てもわかんない時もありますしね、」

カナタが遠い目をして呟いた。

『ガイエン』というのは、ラズリルにある学校の名前らしい。

「でもテッドがなんで…?」

「部活の試合で行った事があってさ、その時の顔見知りが遭難したらしくて…な。;」

「テッドさんって部活何してましたっけ??」

「カナタ、今は関係ないから;」

まぜっ返す奴がいると、会話は前に進まなくなる現象だ。

ちなみにどういう知り合いかと言えば…

「俺が池にはまりそうになった時に助けてくれた奴でさ、」

…。

「…なんか、類友?」

「テッド…池って…;何して…(汗)」

「それはともかくっ!なぁ〜カイル頼むよ、」

ポンッ!と手を合わせての、テッドのお願い攻撃だ。親友の頼みな上、甘える攻撃には、カイルはめっぽう弱い。

「いいけど…」

「よっしゃ!」

「カイルさんが行くなら僕も行きますー!(ていうか、個人でこのでっかい学校内を捜せっていうのがムチャですよねー。野鳥友の会部にでも頼んで下さいよ)」

「カイカって奴でさ、こういう船のマークの校章が入ったネクタイを〜…」

机の上に船のマークを描く。…そのマークに妙に見覚えのあったカナタだ。

マジマジとそれを眺めてしまう。

「机に…;」

「後は、まんじゅうで罠をしかけろって。まんじゅうが好物だからさ、」

「まんじゅうっ!!」

バーーン!と机を叩いて、カナタは思いだした。

 

「僕…さっきその人見ましたよ」

 

 

 

 

…まんじゅうを用意する。(購買で買った)

魚釣り同好会から、釣り竿を借りて来る。

針をとる。(危ないから)

まんじゅうをつける…。

 

「………;(大丈夫なのかな…;)」

「あの辺りにいましたよー」

「じゃあ狙って…」

茂みの辺りに投げる。…いい位置だ。

 

「!かかった。」

 

キリキリキリ…!と石鯛用のリールがテッドの手で巻かれて行く!

「頑張って下さい!テッドさん!!僕のまんじゅう×20個入りの仇を!!…いや、あげたんですけどね…(涙)」

「カナタ…;多いから、なんでそんなに…;」

「1人頭4個か?;」

胸焼けしそうだ。しかも、一つのサイズはコブシ大と見た。

――――そして、一分後…ズリズリと、音を立てて引っ張って来た釣り糸の先には…しっかりとまんじゅうを手に持った少年が引っ掛かっていた。

 

「………けふ。」

…パタッ、…と空になったまんじゅうの箱が足下に落ちた…。

 

…。

「食べたんですか!?あの量を食べたんですかー!?;」

「…!!;(お茶を持ってこなきゃ…;)」

「…お前、食べ過ぎ。」

「………」

とりあえず、GET。

テッドにポスッとチョップを入れられつつ、遭難者は捕獲のちの回収された。

 

 

 

 

 

「ほんっとにかかりましたね〜…人としてどうかとも思いますケド;(泣)」

「お腹、大丈夫かな…;」

捕獲された遭難者は、何か偉そうで髪型のムカツク同校生徒に受け渡され、連れて帰られた。小間使いをしているらしい。

 

「…一体なんだったんでしょうね〜…」

「さぁ?;」

「午後の授業サボってデートしませんかv?」

「それはダメ。」

「えー。(不満)」

とてつもなく不満そうなカナタだ。

せっかくのイチャイチャお弁当タイムが減ってしまったのだから、当然かとも思われるが…

彼はどこでもいつでもイチャイチャいていたいのだ。その為には学年差と会えない時間が邪魔だ。

「―――――…、〜〜、〜〜…。(///)」

…そして、そんな不満げな表情を見て、カイルは少し考えた後、聞こえないくらいの大きさでぽそぽそっと何事か呟いた。

「………!わかりましたー!」

そして、それが聞こえたらしいカナタは、パァ〜ッ…と表情を輝かせ…

 

「わかりましたーー!!放課後ですねーーーvv放課後デート〜〜〜♪♪」

 

「Σ!?(///)」

大声でその内容を叫んで、次の授業へと走って行った。

それなりに平和な幻水学園(仮)…

 

 

 

 

「Σえ!?;ガイエン校潰れて一部こっちに合併吸収!?(汗)」

「………(こっくり)」

 

…に、新たな愉快な仲間が加わった。

 

 

END

 

せっかくでしたので、両方の間をとってみました。(爆)

よくわからないネタですみませっ…(吐血)

頑張りましたー!!

 

…まだ幻水4クリアーしてませんが、(殴)