対!倦怠期騒動!?

 

 

 

のんびり。ごろごろ。のほほほんほん。

 

そんな言葉(?)が似合うほど、現在カナタとカイルは平和な時間を過ごしていた。

ヒルを少しまわった、昼寝をするのにピッタリな気持ちの良い時間、2人は大きなベッドの上で、気持ちよく転がっていた。

ベット柵を背もたれに読書をするカイルの膝に頭を乗せ、少年は機嫌よく昼寝をする体勢に入っていたりするのだが、カイルの膝の上という至福の場所をもう少し起きたまま楽しみたくて、目を閉じようとはしていない。

 

(うっふっふー♪ 幸せですー♪♪)

 

何人も邪魔の入らない時間と空間の中、カイルに膝枕をしてもらっているのだから、それはそれは幸せな事だろう。

「………♪」

そして、ふと悪戯心を起こして、カナタはニヤリと笑った。

足の下にある、心地よい感触の太ももを、つぅっと指でなぞってみたのだ。

…いわゆるセクハラだ。

カイルに膝枕をしてもらって調子に乗ったカナタは、敢えてそんな暴挙に及んでみた…。

「………」

しかし、対するカイルは少しくすぐったそうに身じろいだだけで、視線は本に向けられたままだった。

むにむにと触ってみても、結果は一緒で………

ハッ!とカナタは驚愕の表情を浮かべる。

 

(ま、まさか…! これが噂の倦怠期―――――!?)

 

※ただ単にセクハラ行為にカイルが慣れてしまっただけである。

「う…」

「、カナタ?」

ザーッと顔を真っ青にしているカナタの異様な状態に気付いたカイルが、ようやくカナタに視線を向けたが…時は既に遅かった。

 

「うわーーーーんっっっ!!!!!倦怠期反対ぃーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「!?;(倦怠期!?)」

 

跳ね起きたカナタは、一目散に廊下を駆け抜け、いずこともなく逃走して行った…。

そして、その行方はと言うと………

 

 

 

 

「倦怠期の乗り切り方…いえっ倦怠期にならない方法を教えてください!!」

ドッカーン!とカナタが登場した場所は、ハイランド領皇都ルルノイエ、その城内にある執務室である。

そして、少年の向かう先には、知将クルガンの姿があった。…猛将シードの上にのしかかる。(in机)

(0□0|||)な顔で絶句しているのはシードの方で、クルガンの方はといえば、眉一筋の動揺もなかったりした。

…まだコトに至る前だったのが、シードにとって唯一の救いだろう。

「倦怠期の乗り切り方…ほぅ、カナタ殿にそんな危機が?」

「そうなんです!愛の危機です!!ああ!すべからく主坊としては避けられない運命の悪戯ですかっ!?」

「素で返してんじゃねーーーッッ!!(怒)」

せめて退けーッ!押し倒すのをやめろーッ!と叫ぶシードもなんのその…妙に結束の固いこの二人が会話をし始めると、大抵シードの人格は無視されてしまう。

「で、そのためのマンネリ防止策を一つ僕に授けてください!」

「そう、ですな…マンネリを防ぎたいというのでしたら、押し倒すシチェーションに気を配ってみたらいかがですかな?」

「おおっ!つまり今みたいな執務室プレイとかですね!」

「気付いてんなら止めろっつの!!」

「いや、それはそれ!これはこれです!! 僕だって必死なんですよ!」

えっへん!と胸を張って少年は言う…。が、あまり威張れたことではない。

「ていうか、どうせジルさんに毎日観察されてんですから、今更僕一人に見られたって…(ぼそっ)」

「毎日ィッ!?」

「まあ、これが衆観プレイの一環ということだ」

「僕は衆観プレイはしませんケドッ! ためになりますね〜♪」

「ギャーーッやめ…うぎゃあああああっっ触ってんじゃねェッッ(怒)」

シードの絶叫が響き渡る…。

 

 

そして、その頃カイルは…

 

 

「………(汗)」

一応カナタを探し、ルルノイエまできていた。

カナタが暴走して、ビッキーにハルモニアに飛ばしてもらったことが分かり、多分ジョウイの所にいったのだろうと検討をつけたカイルは、ルックに頼んで城内に飛ばしてもらったのだが、帰りはカナタと合流して戻るしかない。

勝手知ったる城の中、という訳でとことことカナタを探して歩き回る。なるべく人に見つからないようにしているのだが、別に見つかっても捕まらないだろう…。

…ここまで―――戦争相手の本拠地にまでわざわざ探しに行くという―――の事をしてもらえるカナタは、客観的に見て倦怠期ではないと断言できる。本人は気付かないが。

(どこにいるんだろ…;)

広い城内を彷徨いながら、カイルは首を傾げる。

――――その答えは、聞き覚えのある声が響いてきたことによって明らかにになった。

クルガンとシードとカナタの声だ。

異様に叫び声の混ざる声に、カイルは「またカナタが迷惑をかけてる…;」と思い、急ぎ足で声のする部屋の前まで移動するが――――そこで見た光景は…!

 

 

「ぎゃあああああああッッ!!;脱がすなーーーーーッッ!!」

「羞恥プレイですね!写真撮っちゃいます!そして、ジルさんに間近DE☆激写写真をプレゼントですよー♪」

「やめろーーーッッ!!(怒) クルガンッテメェもいい加減にしろよッ!?殴るぞッッ!」

「…まあ、たまには刺激も必要だろう?」

「うおおおおおおおッ!!テメッ…面白がっ…」

「ほら、カナタ殿が来る前のように「わーーッ!」ってみろ、自分から「わーーッ!;」ていただろう?」

「言葉攻めですねー!!」

 

 

「…………………………」

 

つぅ…っと一筋の汗が額から流れ落ちる…。

一体何がどうなってこんな状況になっているのだろう…?

一応ノックはしたので、ドアを開いてみたところ、目の前ではこんな修羅場が繰り広げられている。

(…帰ろうかな…;)

思わずカイルが正直に思ってしまったとしても、仕方のないことだろう。

 

 

 

 

 

とりあえず、その場からカナタだけは退場させ、

 

「カイルさん!倦怠期対策バッチリですから!今日からは安心して下さいねッッ!!」

「倦怠期じゃないから、止めて…;」

 

と、会話をしながら帰路についた事だけは記しておこう…。

 

 

 

 

倦怠期からは程遠いのやら、そうでないのやら…

いつも通りの暴走っぷり…(殴)