一度はやってみたかったネタシリーズ - 子供編4-
ムクムクは困っていた…
「ムム?;」
「むささび…」
屋上に行ってみたら、いつもいる大きな鳥とそして、先程別れて来たはずの人物がいるからだ。
「…おいで?」
「ムムム??;」
おいでおいでと呼ばれて、ムクムクはつい正直にふらふらとその人物の元へと行った…。
ぎゅうっと小さな腕で抱き締められるのは、そう悪い気分ではなかったのだが…
…しかし、小さ過ぎやしないだろうか?
「ムムム〜?;」
ムクムクは困っていた…
「カイルさん!どうやら僕らの子のようですよッ♪」
「………(汗)」
「おかあさん」と自分に懐いて来る子供を抱いていては、「産んでないから、;」と突っ込む事すら出来ない。
そして、カナタは自分の浮気でなく、更にカイルが奥さん(?)ならもうなんでもいいらしい。(酷)
思いっきり嬉しそうに、認知している。それでいいのだろうか?
「おかーさん??」
「う、ん……;」
じぃ〜っと自分の顔を覗き込んで来る子供に、カイルは(なるべく)困っていない表情で、微笑んだ。
…妙な気分である。
この事態をどうしていいのか…それは誰にも分からない。
「カナタ…;」
まだ軽い身体を抱え直しながら、カイルはカナタにどうするのか尋ねようとした。
「なんですかー?」
「この子…」
「ハルー!」
「え?」
どうやら、今まで誰も聞いていなかったが、この子供は『ハル』という名前らしい…。
「『ハル』って名前でしたかー」
「かなたボケた?」
「誰が若ボケですかーーー!!」
「色惚けだけどな、」
「そこー!(怒)聞こえてますよ!?」
カナタの放った皿が、シーナの頭にぶつかって割れた。
なんか、子供につぶらな瞳で「ボケ」呼ばわれされて、ムかついたらしい。…まあ、本人に攻撃していないだけマシだと思われるが、大人気ない事には変わりない。
「カナタ、;」
そして、カイルはそれをたしなめる。…腕の中で、子供が慣れた表情で、カナタにベ〜!と舌を出したのは見なかった事にしよう…。
「じゃあ、『ハル』君は…」
「?おかーさん、ハルって言うのに…」
「〜〜〜〜;(困っている)、は、ハルは一人でここに来たの?」
「ん〜ん…」
子供は首をふるふると横に振る。
「る〜と来たー」
「……………(汗)」
『る〜』って誰?と聞く訳にはいかない…。(関係者のようなので)
カイルは縋るような目で、まだ固まっている(悩んでいる?)他のメンバーを見た。
「ほら、フリックさん!(ジェラシ〜怒)」
「え!?あ、ああ…;その…『る〜』って誰なんだ?」
「る〜はルィで、ハルとふたごー、でもさっきはぐれた…青いおじさんのせいでー」
「おっ…!?」
…確かに、その目には殺気が漂っている。まさにカナタ譲りの眼光だ…。
「おじさんがさらったー!」
「あっあれは!!;」
「誘拐犯ですね!確実に!牢屋に行きますか?」
「カナタ!…それより、その子も捜さないと…;」
「そうですね〜やっぱり城内とはいえ、子供1人だと危ないですし〜…」
子供にまで虐められているフリックは放置され、カナタは悩んだ。
「…っていうか、やっぱり双児ですから、もう1人僕と同じ顔が増えるんですか?;」
「?ハルおとーさん似だけど、る〜おかーさん似…」
不思議そうに、当然の事実らしい事を『ハル』は言った…。
…。
「と言う事はちみっこカイルさん…!!―――――小さいカイルさんを自分の望む姿に育てての紫の上計画とか出来ちゃう訳なんですかッ♪!!!!?」
「カナタッ!(怒)」
変な方向に走っている…。
「オイ…ほんとにアレで『おとーさん』なのか…?;」
皿を頭にぶつけられたシーナは、眉をしかめながら子供にそう尋ねた。
答えはあっさりした物で、
「かなた、いつもあんなのー」
子供は無邪気に笑って答えた…。
続く
何が何やら…