ハロウィン。(テド4、ロイ王リンクも有。)

 

 

グツグツグツ…

 

鍋で真っ赤に煮えたぎる赤い液体。(ジャム)

今にも弾けそうな程膨らんだ、物凄い形相をした紫色の生首。(ジャム入り紫芋パン)

そして、机の上に散らばる真っ白い骨の山。(クッキー)

 

「―――――…」

カイルはそんな光景を見て、硬直した。

予想もしていなかった物を見てしまい、現状が理解できなかったのだ。

それを正気づかせるように、ボムッと膨らんだ人の顔が弾けた。…中から真っ赤な液が飛び散る。

「あっ;中身入れ過ぎました!;」

「カナタ…何して…っ?;」

「あっ!カイルさーんv♪トリックオアトリートです〜vvv」

甘い香りのするスプラッタな光景の中、2人は居た。

 

そう、本日ハロウィン。

楽しい楽しい悪戯祭り(違)だ。

 

 

 

「ちょっと色々懲りすぎて、当日まで調理かかっちゃいましたよ〜♪」

「…『ちょっと』?;」

コンセプトは悪い魔女なのか、ずるずると長いローブを引きずりながら、カナタは歩く。その腕にはおどろおどろしいお菓子が詰まった籠がある。…格好が格好なだけに、毒とかが入っていそうだ。

ちなみにカイルは、お揃いを意識されたのか…魔女っぽい衣装ににゃん耳としっぽを付けられている。にゃん魔女だ。(もはや慣れてしまったのか、魔女っこスティックを持つ手も戸惑いがない…)

「さあ!中途半端な年齢として!大人には悪戯…もといっお菓子をもらい!ちみっこにはお菓子を配りますよー!!」

「……………(汗)」

かなりの張り切りようだ。

カイルにとっては不安の日だが、カナタにとってこの日は、公式に悪戯が出来る日なのだからまあ、当然と言えば当然の様子だろう。

「トリックオアトリート♪トリックオアトリートぉ〜♪」

「「「「とりっくおあとりーと!」」」」

ご機嫌なカナタの声に混じり、ちびっ子らの声が混じった。

「、」

とても可愛らしいちびっ子お化けが手を差し出す姿に、カイルも微笑ましさから笑みを漏らしてしまう。

…が、しかし。

 

「ドリ”ッグオ”ア”ドリ”ードォオ”オオオオオ!!ハロウィンだからって浮かれて悪戯する悪ィー子はい”ね”かぁあああああああ!!」

「「「「う”わ”ーん”!!ごわ”い”ーー!!(涙目)」」」」

「カナタ!!(怒)」

どこに隠し持っていたのか…なまはげのお面まで被って、生首パンを握りつぶす(スプラッタの大惨事)カナタに、カイルの怒りの棍が飛ぶ…。

 

「大丈夫…?;」

「かなたさまごわ”い”よ”〜〜!」

「痛いです〜;せっかくなまはげ講習まで受けて練習したのに〜っ;」

「しなくていいから!;」

大泣きする子供らをあやし、カイルが普通のお菓子を配ると、ようやくちびっこお化けも落ち着いた。

「まだまだですね!その程度で泣いてて僕に勝負を挑もうなんて!甘いにも程がある!まあ、武士の情けで僕の手作り恐怖お菓子は進呈しよう!」

「おいしいっ!」

「でもコワイ!?;」

…まあ、別に仲が悪い訳でなく、同レベルで騒いでいるだけのようだ。

カイルはほっと息を吐いて周りを見渡す。

すると、少し離れた所で女の子達が待っているのが見えた。可愛らしい妖精の姿だ。

「カイルさま、とりっくおあとりーと…!」

「はい、お菓子、…カナタには行かないの?」

「かなたさまのおかしはコワイの…」

「……………(汗)」

否定出来ない為、なんともコメントし難かった。

「そーんなことはないですよ♪」

「わ、カナタ…;」

今まで向こうでちびっ子を振り回していた(物理的に)はずのカナタの出現に、カイルも驚く。

「ちゃんと女の子用のアメもありますよ♪はい、ど〜ぞ。」

「ありがとうカナタさま…でも、このアメちゃん、目がある…」

…ファンシーだが、確かに目が書いてある。ウィンクしていたり色々と。

まあしかし、ギリギリ少女らにも許容範囲だ。

「男の子用にはもっとリアルに書き込んでるんですけどね〜?毛細血管とか!」

「やめてあげて…;」

トラウマ物だ。

 

「じゃあカイルさん!この後どうしますか?」

「せっかくだからお菓子を配って歩こうと思うんだけど…」

「じゃあ僕も行きますねー♪」

「え、でも―――カナタには見えないかもしれな…」

「やっぱちょっと悪戯してきますーーーーー!!!!;」

スピャーン!とカナタは逃げ出した…。

 

 

→カナタの悪戯その1(テド4)

→カナタの悪戯その2(ロイ王)

 

 

 

が、数十分後…すぐにカナタはカイルの元に戻ってきた。

思うに、ノリと勢いだけで逃げているだけのようだ。今はもう呑気にカイルの隣を歩いている。

「ふ〜♪色々悪戯満喫してきましたよー!」

「…そう…;」

「聞きますかーv?」

「ううん、;」

やめておこうとカイルは思った…。(聞かない方が精神衛生上良いと思われる為)

「で♪カイルさんの手持ちのお菓子はもうなくなりましたかー?」

「? まだ残ってるけど…」

「そうですか〜♪――じゃあなくなったら言ってくださいね…v」

「…何する気なの…?;」

「そりゃもちろん――♪」

 

 

とにもかくにも、ハッピーハロウィン!!