新婚劇場3〜隣の家〜は甘〜いぞ♪編〜
「カイルさんvカイルさん♪♪♪」
隣の新婚カップルの旦那さんコト、カナタは、今日も朝っぱらカイルに構ってもらおうと台所で料理中のカイルの背中にくっついている。
味噌汁のいい匂いとカイルから香る石鹸の香り。
『はあ〜〜〜vvv幸せです〜〜〜〜〜〜vvvvv』
さらにすりすりとくっつく旦那さん。
白のフリフリエプロンが怖い程似合っている奥さんだ。
ここのカップルがどうやってくっついたかと言うと………
『(カナタの)騙し討ちに(カイルが)引っ掛かった』―――という形だろう。
「カナタ………料理出来ないんだけど…………………(汗)」
「カイルさんがいれば朝ご飯なんて食べなくても平気です〜〜〜♪♪♪」
「…………………(そういう問題じゃなくて)」
『どがっしゃ〜〜〜〜〜〜〜んっっっっっ!!!!!』
「?」
「隣からみたいです。」
二人は慌てて台所からでた、するとものすごい音は隣の新婚夫婦、クルガン氏とシードの部屋から出た事が判明した。
隣の旦那さんは壁に耳を当て、興味津々で様子を探り中。奥さんが止めるのも聞いていないようだ。
『クルガンのバッキャロぉぉおおおおおおおぉッッッッ!!!』
「…………壁に耳あてなくても良かったみたいです、」
ものすごい大音声でシード奥さんの声が響いてくる。
カナタはそれを壁に耳まで当てて聞いたのだから、耳がキィーンとなってもしょうがないだろう。
ガッタンガッタン!!と壁の向こうからシードの(予想。十中八九当り)暴れる音が響いていた。
「と、止めないと………」
「大丈夫ですよ〜(どうせ夫婦喧嘩です。)」
慌てる奥さんをカナタは、宥める。
「でも………」
それでも、カイルは心配なようだ。
当然だ。隣からは刃物の音までし始めている………。
「止めてこないと……っ」
普通の人ならば、止めに行った方がいいのだろうが、相手はあの夫婦だ。
カナタには、無駄足を踏むことがわかっていた。
――――と言う訳で、旦那さんはたてた作戦(?)を実行する事に決めた。
「……………………カイルさん、」
「?」
じいっとすがるような視線を送ってくるカナタに、カイルはようやく玄関に向かおうとするのをやめる。
「お腹空きました…………」
ぐきゅうぅうぅぅ。
「え……?」
「お腹空きました〜〜〜っ」
きらきらと瞳を期待できらめかせる、旦那(?)さん、
それでようやく奥さんは料理が作りかけだった事を思い出す。
「あっ…」
「朝ご飯食べたいですっ」
「ごめん、すぐ作るね」
再び台所へ向かうカイル。
まんまと騙され(?)ている。
意外に抜けている所もある奥さんだった。
「は〜〜〜、朝っぱらから他人の情事なんて見たくないですー。(いや、見たいですけどね☆後学のために♪)」
カナタはホッと息をつくと、聞き覚えのある(昨夜も聞いたため。)音と声が響きはじめた壁から離れる。
どうやら夫婦喧嘩は終わったらしい。
「―――でも、さっすがクルガンさんですっ!僕もちゃんと見習わないといけないですっ!!」
新たな闘志を胸に、カナタは台所へ向かった………………。